卒業生のことば

2023年3月18日

令和4年度終業式・卒業式


幼稚部から15年間共に通い学んだ卒業生6人のメッセージを紹介します

3月11日 1週早く2人が卒業 (上級B教室にて)


3月18日 卒業式後 4人と先生


K.N.さん

ここに来てちょうど10年目です。

ここですごく日本語が上達したかなというとそうでもない。ここでいっぱい漢字が書けて読めるようになったかというと、そうでもない。ここ10年の土曜を全て日本語補習校に費やすのはどうだったかと聞かれたら、正直大変でした。

だけどそれ以上に何か、すごく大事で、ここでしか学べないものを得ました。それは自分が日本人である誇りです。ここへ来てから少しずつ、この僕の周りとの違いが特徴となり、長所となりました。

こんなに大きな成長をさせてくれた日本語補習校の皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。

10年間お世話になりました。

F.U.さん

大阪弁しか知らなかった僕が日本語補習校で標準語を学ぶことができました。

宿題を一度もしなかったけれど、漢字の読み書きができるようになりました。なので僕が言いたいのは、大事なことはいっぱい勉強することではなく、最後まで続けることです。

僕みたいに通うだけでも日本語を話せるし書くこともできる。もちろんそこに勉強とがんばりを含めたら日本に住む日本人と張り合えるだろう。

十五年間教えてくださった先生方、クラスメイト、やめていったクラスメイト、皆さんありがとう。

A.M.さん

皆さん、こんにちは。今日は僕と卒業生にとっては最後の補習校です。14年間も土曜日をこの補習校に通い続けました。辛かったって聞かれたら"はい"って答える。一時期やめようと思ったこともあります、実際やめた同級生も多い。今でも土曜日は友達と出かけたいと思っています。それでも、それでも、最後までやり続けて心のそこから良かったって思っています。Nくんの言葉を使わせて貰いますけど、日本語補習校を通い続けたから日本語を学んだのではない、日本語補習校が僕に教えたのは日本の文化と日本語を知ることの大事さです。僕逹は日本語とイタリア語も話せる、日本とイタリアの文化を知ってる、それがどれだけの宝物だと分からせてくれました。

最後に後輩逹に、特に上級Bクラスの人たちに残したい言葉があります。きちんと先生逹の話を聞いて、きちんと勉強してください。そして一番大切のは、楽しむことです。

ありがとうございました。

M.Y.さん

僕が初めてこの学校に来たのは15年前で僕は3歳でした。この学校を通して多くの友達ができました。その中の何人かはもう日本に帰ってしまったり学校を辞めてしまった人もいましたが、この15年間でできた友情は今もまだ続いています。

この長い間たくさんの先生から多くを教えてもらいました。それぞれの先生が優しく教えてくださり、心から感謝しています。

イタリアにいながら、こうして沢山の日本人の友達に出会えたのは、この学校のお陰だと思います。

ここで一つ君たちにメッセージがあります。小さい頃から僕はずっと日本語を学んでも、ためにならないと思っていました。しかしこの数年で、日本語を話せることがどんなに大切なのか、気がつきました。

こんなにも簡単に日本語を学べるチャンスがあるのは、僕たちにしかありえません。

僕みたいに勉強だけでなく友達に会うために学校へ来ている人もたくさんいると思いますが、日本語は僕たちの一部なのだから、諦めないで続けて欲しい。

この15年間本当にありがとうございました。

K.M.さん

日本語学校に通い始めて14年になります。幼い頃、学校に行くのが好きではなかったことを今でも覚えています。日本語を学んで何の役にも立たないと思っていましたが、もちろん間違っていました。だんだんと成長するにつれ、自分に与えられた大きな幸運に気づき、日本語を学び続けることでそれを最大限に活用することができました。両親のおかげで日本語を勉強し、新しい友達を作る機会を与えてくれたことに感謝しています。実際、学校のおかげで新しい友達をつくり、交流することができました。何年にもわたって、学校をやめたクラスメートもいましたけど、ちゃんと続けた人もいます。あきらめなかった自分を本当に誇りに思っています。なぜなら、日本語を保って、毎週土曜日に会う機会があったからです。この3年間教えてくださったH先生に感謝いたします。先生の授業はとてもわかりやすいし、生徒たちが困っているときにもちゃんと助ける事が魅力的です。

後輩たちへ(上級B);今年会ったばかりだけど、すごく距離が縮まったと思います。私が後輩たちに伝えたいのは、土曜日の午後は時々疲れているかもしれないけれど、学校に通い続けることです。なぜなら、補習校は絶対に素晴らしい思い出を残してくれるから。そして、授業中に騒ぎすぎないことと、私たちが卒業した後に泣かないでね。

最後にもう一度、私に日本語を勉強させてくれた補習校に感謝します。そして何よりも、ずうっと一緒だった友達と卒業して、みんなと一緒に人生の章を締めくくることができたことに感謝します。

M.O.さん

みなさん、こんにちは。

私は今回で、終業式への参加は15回目となり、長い間お世話になった日本語補習校でのクラスの学びが、今日で終わります。

終業式と言うと、子供の頃は、ただ自由な土曜日がやってくる発表会ぐらいに思っていましたが、今日は少し違います。年を経るごとに私たちのクラスの並ぶ列が前の年よりもだんだんと左に寄って行って、一番左は卒業生の列と知っていたけれど、 私たちがそこに座る日はいつももっとずっと先のことだと思っていましたが、とうとうその日が来てしまいました。クラスのみなさんや学校全体にさよならを言う日がやって来てしまいました。


土曜日の午後にかならずあった日本語補習校という習慣にさよなら。

漢字の1、2個でも頭に入るようにと頑張った午後にさようなら。

クラスメート、大好きな友達に会えた土曜の午後にさようなら。

楽しみにしていたMさんのパンとHさんの肉まんにさようなら。


日本語補習校での日々は、私の心の奥深くで、いつまでも大切にしたい宝物のような思い出になるでしょう。

小さい頃から知っていて、出会えて本当に良かった大事な友達、歳月とともに補習校から去ってしまった友達、そして今年度、新しいクラスで知り合った友達、みんな本当にありがとう。お世話になった担任のすばらしい先生方、大切な存在として心に刻んでいきます。ありがとうございました。

そしていつも日本語補習校を支えてくださっている父兄のみなさんに心より感謝いたします。

土曜日がいつも忙しくて嫌気がさしたこともあったけど、今となっては私の大切な思い出となり、お金では買うことができない財産になりました。

ありがとうございました。